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法人税額の控除対象になるものとは?租税特別措置法に基づく税額控除などを解説/井関孝之税理士事務所

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法人税額の控除対象になるものとは?租税特別措置法に基づく税額控除などを解説

法人の場合所得金額に応じて「法人税」が課税されますので、いかに法人税額を下げるかが実質的に使えるお金の大きさに影響を及ぼします。そこで様々な節税対策を検討し、実行していくことになりますが、その中でも控除制度の利用は基本です。

この記事では法人税額に影響を与える、控除について簡単に説明をしていきます。

 

法人にかかる税金と税額控除のキホン

「法人税」とは、法人の企業活動によって生じた所得に課される税のことです。

 

法人の所得金額は「益金の額」から「損金の額」を引いた金額のことを指します。

※益金の額:商品等の販売による売上収入、不動産の売却収入等

※損金の額:売上原価や販売費など、費用や損失に該当するもの

 

算出された所得金額に対して税率を掛け、さらに税額控除額を差し引くことで法人税額が定まるという流れになります。

つまり、益金を減らす・損金を増やすことでも節税対策とすることは可能なのですが、税額控除額を大きくすることでも節税は実現可能ですし、企業の利益を維持したまま節税が図れるという意味ではその重要度は高いと言えます。

 

法人税算出における税額控除の種類

法人税を算出する上で適用され得る税額控除にも色んな種類があります。

 

「二重課税による損をなくす」という意味合いで適用されるのが以下です。

  • 所得税額控除
  • 外国税額控除

 

これに対し「産業の発展などの政策的目的を果たす」という意味合いで適用されるのが以下です(一部を例示)。

  • 研究開発に対する特別控除
  • 雇用促進に対する特別控除
  • 経営改善設備に対する特別控除
  • 中小企業投資促進に対する特別控除
  • 国家戦略特別区域における機械等の取得に対する特別控除

 

前者は余計な課税機会を排斥するものですので、積極的な節税という意味では後者の租税特別措置による税額控除の重要度は高いと言えます。

 

なお、法人税に限らず租税特別措置法では、特定政策実現を目的に様々な特例が定められています。

詳しい情報は、国税庁から租税特別措置法関連通達(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/01.htm)として公表されていますので、こちらも確認してみると良いでしょう。

また、租税特別措置法等の法令を実施するため、租税特別措置法施行規則にはより詳細度を上げたルールが置かれています。

 

各種税額控除の内容や対象について

上で挙げた各種税額控除について、その内容、対象範囲などをまとめていきます。

 

所得税額控除

まずは「所得税額控除」についてです。

同制度では、“預貯金や公社債の利子、合同運用信託の収益の分配等に関する所得税額”は全額控除対象となります。これらは元本の所有期間に応じて利子・分配金が決定されるという性質を有しているためです。

 

他方、“剰余金や利益の配当、剰余金の分配、投資信託の収益の分配に関する所得税額”は、全額が控除対象とはなりません。所得税額のうち、元本を所有していた期間に対応する部分の金額だけが控除対象です。

 

外国税額控除

所得の発生が国外の場合、外国で課税されていることがあります。

そうすると、国内でもそのまま課税されることにより二重の課税を受けてしまいます。

この問題を是正するため、「外国税額控除」の制度が設けられています。

 

ただし、外国税額控除には限度額があるため要注意です。

所得金額のうち、国外所得金額が占める割合などによって限度額が決まってきます。詳しい計算は税理士に相談し、具体的な節税対策を検討していくことが大切です。

 

租税特別措置法による税額控除

上の控除は課税に関して公平さを実現するためのものですが、以下で挙げる控除については実質的に他社との関係で課税・納税を有利にすることが可能です。

 

 

制度概要条件等
研究開発に対する特別控除試験研究費に一定割合を乗じた金額を法人税額から控除する
  • 適用対象法人は、人格のない社団等を含む青色申告法人
  • 試験研究費の額とは、製品の製造や技術の改良等にかかる、原材料費や人件費、委託費用など

詳細:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5442.htm

雇用促進に対する特別控除地方活力向上地域等特定業務施設整備計画に関して、認定を受けた事業者が雇用者数増加を果たす場合に受けられる控除
  • 適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で、かつ認定事業者
  • 控除可能な税額は、適用年度における法人税額の20%が限度
詳細:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5926.htm
経営改善設備に対する特別控除中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等に対する、経営設備等の取得に関する控除
  • 適用対象法人は、中小企業者(または農業協同組合等もしくは商店街振興組合)で、青色申告書を提出し、中小企業等経営強化法に規定されている経営力向上計画の認定を受けたもの
  • 特定経営力向上設備等を新たに取得、製作または建設し、指定事業に供したとき、特別償却・税額控除を認める
  • 対象となる資産(特定経営力向上設備等)は、新品の生産等設備の構成機械や装置・工具・器具備品・ソフトウェア等で、一定の規模以上を有するもの
詳細:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5434.htm
中小企業投資促進に対する特別控除中小企業者などが、新品の機械・装置などを取得または製作し、指定事業に供したときの特別償却・税額控除制度
  • 適用対象法人は、青色申告法人であり、特別償却と税額控除いずれかで規定されている中小企業者等に該当するもの
  • 対象となる資産(特定機械装置等)は、新品の「取得価額が160万円以上になる機械や装置」「取得価額が120万円以上になる品質向上等に資する検査工具等」・・・などの資産で、指定期間内に取得・製作し、指定事業のために供したもの。
詳細:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5433.htm
国家戦略特別区域における機械等の取得に対する特別控除国家戦略特区内において機械等を取得したときに、特別償却・税額控除の措置がうけられるというもの
  • 国家戦略特区の特定事業の実施主体として、認定区域計画に定められたものであること
  • 控除の対象になる資産は、「機械・設備、開発研究用器具や備品」「建物・その附属設備等」

詳細:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/01/01_42_10.htm

 

法人税対策は税理士に相談を

法人税対策は他にも色んな手段がありますし、各種控除の制度を利用するにも専門家のサポートが欠かせません。専門知識なく取り組んでしまうと、無駄に労力だけかけてしまい、思うように節税効果が得られないリスクがありますし、法に抵触してしまうおそれもあります。

そのため詳しいことは税理士に相談をすると良いでしょう。

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所長税理士紹介

井関税理士の写真
所長税理士
井関孝之(いせき たかゆき)
  • 沿革
    • 平成6年2月 税理士登録
    • 平成10年11月 井関孝之税理士事務所開業
    • 平成10年11月 TKC全国会入会
  • 所属団体
    • 近畿税理士会
    • TKC全国会
    • 豊中商工会議所
    • 豊能納税協会
ご挨拶

私は平成10年に税理士事務所を開設してから今日まで、多方面の顧問先のお客様と信頼の絆を築いてまいりました。

これからも、この絆を築くことに重点を置き、お客様に満足していただけるよう努めさせていただきます。

税務、会計はもちろん他の些細なことでもお悩みごとがございましたらお気軽に当事務所までご相談下さい。

プライバシーを守り、一生懸命お客様に満足していただけるよう努めさせていただきます。

事務所概要

経営理念
  1. 「自利利他」の理念と実践
  2. 社会と調和しながら未来を創っていくこと。
  3. すべての人のために存在すること。

を経営理念として、地域の発展に貢献したいと考えています。

事務所名 井関孝之税理士事務所
所属 近畿税理士会、TKC全国会、豊中商工会議所、豊能納税協会
代表者 税理士 井関孝之
所在地 大阪府豊中市蛍池中町2-4-16
アクセス 阪急各線・能勢電鉄線で阪急宝塚線「蛍池駅」徒歩1分/大阪モノレールで「蛍池駅」徒歩1分
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