税務書類にはどんなものがある?主な種類と作成方法について
個人や法人を問わず、経済活動を行う中では様々な税務書類を作成する必要があります。特に法人などの事業者は多くの税務書類の作成と提出が求められます。具体的にどのようなものが税務書類に該当するのでしょうか。ここで代表的な税務書類を紹介するとともに、作成の方法についても説明していきます。
税務書類とは
所得税や法人税、住民税、消費税など、様々な税金に囲まれて私たちは生きています。とはいえ自動的に納税額の計算から徴収までされているわけではありません。多くの税金は、納税義務者の申告をきっかけに課税がなされています。
そのため、税金の種類別に申告書の様式が用意されており、納税義務者が自ら申告書を作成・提出することで課税から納税までのシステムが成り立っています。
このときの、税務署や都道府県税事務所、市町村など税務官公署に提出する、税金に関わる申告書、届出書等を「税務書類」と呼んでいます。
税務書類の種類
税務署に提出する申告書だけでも、数多くあります。
税務書類(申告書)の例 | |
---|---|
所得税の確定申告書 | 1年間の所得金額及び税金を申告するために作成 |
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 給与の支払いを受ける人が、給与に関しての扶養控除などを受けるための書類 |
相続税の申告書 | 相続により取得した財産の価格等を申告するために作成 |
贈与税の申告書 | 贈与により取得した財産の価格等を申告するために作成 |
法人税の確定申告書 | 法人の活動による所得金額と税金を申告するために作成 |
消費税の確定申告書 | 商品・製品やサービス等の取引にかかる消費税の額を計算し、申告するために作成 |
その他各種税金に応じた申告書がありますし、申告書以外の税務書類もあります。
例えば事業者の作成する決算書、中間決算書、年末調整や法定調書に係る税務書類などがあります。
個人レベルでも、個人事業の開廃業等届出書(開業届)や所得税の青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出書などの税務書類が挙げられます。
各種税務書類の作成方法
上記の通り、税務書類といっても種類は多様で、作成方法も種類により様々です。
例えば、確定申告書には収入金額や所得金額、各種控除などを記載する欄がありますので、1月1日から12月31日までの売上額や給与額などを計算し、記載していきます。
「手書きで記入する方法」もあれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナーを利用する方法」もあります。あるいは「会計ソフトを利用する方法」もあります。
他の申告書に関しても、基本的には所定の期間に発生した、取引金額等を記載していく作業になります。また必要事項を正確に記載するためにも、対象期間中の、日々の記録が重要です。
税務書類は自分でも作成できる
各種税務書類は自分で作成することも可能です。申告をしなければならない人、届出をしなければならない人、申請をしたい人、それぞれが自ら作成して自分の手で提出まですることができます。
ただ、“税務書類の作成や提出を自分でしても良い”という意味であって、“自分で正しく税務書類の作成や提出ができる”という意味ではありません。何ら知識や経験のない方だと、正しく税務書類を作成できないこともあります。
そのため税務に詳しくない方が作成をすることにはリスクが伴います。特に申告書に関しては、計算ミスや記載ミスが含まれていると、正しく税金が計算できません。これが原因で税制上のペナルティを課されるおそれもあります。
税務書類の作成は税理士に任せると安全
税務書類の作成は、納税義務者、申告義務者等が自分だけで行う必要はありません。
税理士に作成作業を依頼してもかまいません。税理士は税務のプロです。早めに相談されると提出期限までに焦らず対応ができ、申告書等を提出することができます。
特に作成すべき税務書類の数が多い事業者の方は、日々多くの事務作業への対応に追われます。本業に注力するためにも税理士の活用がおすすめです。