会社設立に必要な費用は?
会社設立を行い、法人化することには、節税など様々なメリットがあります。しかも近年、会社設立の際の最低資本金制限が撤廃され、役員数の規制も緩和されたため、多くの個人事業主様が会社設立を行い、そのメリットを享受しているという状況にあります。
この記事では、会社の種類と、会社設立の際にどのくらいの費用がかかるのかについて解説していきます。
■会社の種類
会社設立によって、①株式会社、②合同会社の2種類の会社を設立することが可能です。
①株式会社
株式会社とは、株式を発行し、それによって資金を集め、会社を運営していくタイプの会社のことです。
株式会社の所有者は、株式を持っている株主であり、経営を行う経営者ではありません。このように、会社の所有者と経営者が異なるのが株式会社の特徴です。
株式会社のメリットは、社会的信用が高く、株式の発行により容易に資金を調達できることにあります。
デメリットは、株式会社のほうが設立にかかる費用が高いこと、決算公告の義務があり、手間がかかることです。
②合同会社
合同会社とは、経営者と出資者が同一であるタイプの会社のことです。
出資者全員が、出資した資金の範囲で責任を負うという有限責任社員であるということも特徴の一つです。
合同会社のメリットは、設立費用が株式会社と比べ安く済むこと、決算公告の義務がないことです。
デメリットは、上場を行うことができないため、事業拡大の際に困ってしまうことがあげられます。
■必要となる費用の種類
会社設立には、法定費用と呼ばれるものが必要になります。法定費用とは、会社を設立するために法務局や公証役場をはじめとした各役所に支払う費用のことを指します。定款用収入印紙代、定款の認証手数料、定款の謄本手数料、登録免許税などがそれに該当します。
■法定費用の額
法定費用は、設立する会社が株式会社であるか合同会社であるかによって額が異なります。
①定款用収入印紙代
定款とは、会社の運営に関する規則のことです。定款を紙で作成する場合には、株式会社でも合同会社でも40,000円かかります。
なお、電子定款の場合は、定款用収入印紙代はかかりませんが、作成するためのソフトウェア代などがかかります。
②定款の認証・謄本手数料
株式会社の設立の際には、定款の改ざんなどを防ぐために、公証人役場で認証をしてもらう必要があります。その際、50,000円の認証手数料がかかります。
また、登記の際必要である定款の謄本も行う必要があり、1ページあたり250円かかります。
なお、合同会社の場合は、定款認証の必要がないため、これらの費用はかかりません。
③登録免許税
登録免許税とは、登記の際に国に支払う手数料のことです。
株式会社では、150,000円または資本金額 × 0.7%のどちらか高い方、合同会社では、60,000円または資本金額 × 0.7%のどちらか高い方がかかります。
合計すると、株式会社は平均して、250,000円程度、合同会社は100,000円程度の法定費用がかかります。
会社設立にかかる費用は、以上のように設立する会社の種類によって異なります。しかし、安易に会社設立費用の安いほうで会社設立を行うのは禁物です。
しっかりと目的に合わせて設立する会社の種類を選ぶ必要があります。
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