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相続税の計算方法の基本|遺産の大きさと税率、納税額との関係について/井関孝之税理士事務所

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相続税の計算方法の基本|遺産の大きさと税率、納税額との関係について

相続税の計算は想像以上に複雑なものです。単純に「遺産の額×税率」で求まるものではありません。

段階的に様々な計算を進め、加算減算を繰り返しながら各人の納税すべき税額が定まります。
「相続税の計算方法がわからない」という方に向け、ここではその計算方法を簡単に説明していきますので参考にしていただければと思います。

 

相続税計算の基本の考え方

相続税は、課税対象となる遺産が多いほど、納税すべき額も増える仕組みになっています。
誰でも一律固定の納税額が発生するということではありません。多くの遺産を遺している資産家に関する相続であればより大きな相続税が、逆にあまり資産のない方に関する相続であれば小さな相続税を納める傾向にあります。
そして遺産がある一定額を下回る場合には、納税義務すら課されません。

後述するように、相続税には基礎控除が適用されますので、基礎控除の適用時点で課税価格がゼロとなれば納税の必要はなくなるのです。

 

また納付すべき相続税に関しては、遺産を取得した各人ごとに計算をする必要があります。途中まで計算は共通するのですが、最終的には個別に計算を行わなければなりません。それぞれに課税対象が異なるケースがありますし、適用できる控除に違いもあるからです。
そのため納税義務に関してもそれぞれに異なります。同じ被相続人からの相続であっても、納税が必要な方もいれば、納税が必要ない方も出てきます。

 

特に税率の適用(正確には納税額の負担割合)に関しては各人で大きく異なります。
相続税に係る税率は、相続財産の大きさと民法の相続の順位による法定相続分が変動するからです。

税率10%で済むケースもあれば、55%もの税率が適用されるケースもあります。

 

相続税の計算方法

具体的な相続税計算の流れを以下に示していきます。

 

手順1:正味の遺産額を計算する

1ステップは「正味の遺産額」の計算です。
そのためにまずは財産調査を行い、「遺産総額」をはっきりさせる必要があります。現金や預貯金の額を把握します。

宅地や家屋などの不動産評価、有価証券その他の評価も行い、遺産総額を導き出します。

 

そして、相続時精算課税制度(※)を利用している場合にはその適用を受けた贈与財産の分を加算します。

他方で、遺産のすべてが課税対象となるわけではありませんので、「非課税財産」に該当する分は算入しません。例えば墓地や仏壇などは非課税財産です。
また、マイナスの価値を持つ銀行借入金などの債務や葬式費用も遺産総額から引き、「遺産額」を算出します。

 

純粋な遺産とは異なりますが、税制上、相続開始の前3年以内に行われた贈与は相続税の計算に含めるルールになっています(※)。
その贈与財産を遺産額に加算することで、ようやく「正味の遺産額」が計算されるのです。

 (※)令和5年度改正予定

 

手順2:基礎控除の適用

続いて、基礎控除を適用して、「課税遺産総額」を計算します。

 

相続税に係る基礎控除は、どの相続でも適用あります。他の控除のように厳しい適用要件は求められていません。
そして基礎控除額は法定相続人の数に応じて定まります。3,000万円を基礎とし、ここに「法定相続人の数×600万円」の額を加算して算出します。

 

例えば法定相続人が配偶者と子である場合、法定相続人の数は2人です。そのため次の計算式に従います。
※養子の場合はこの計算に含めることができる人数に制限があります。

 

基礎控除額 = 3,000万円+(2人×600万円)
      = 4,200万円

 

この基礎控除額は、前項で計算した正味の遺産額から控除します。そうして残った額が「課税遺産総額」となるのです。
つまり、正味の遺産額が基礎控除額以下である場合には課税遺産総額がゼロとなります。

“課税対象となる財産の額がない”ということになり、当然納税すべき額もゼロになります。

 

相続税ではこのように大きな基礎控除額が認められているため、ある程度大きな資産を持った方に関する相続でなければ相続税が問題となりません。

 

手順3:法定相続分で按分して税率をかける

手順2までで計算された課税遺産総額を、各人の法定相続分で按分します。

 

配偶者と子がいる場合、それぞれの法定相続分は1/2です。
課税遺産総額が5,000万円だとすれば、按分した結果はそれぞれ2,500万円となります。
ここでようやく「税率」を適用します。

 

相続税の税率は、下表に従い定まります。

法定相続分に応ずる取得金額

税率

控除額

1,000万円以下

10

3,000万円以下

15

50万円

5,000万円以下

20

200万円

1億円以下

30

700万円

2億円以下

40

1,700万円

3億円以下

45

2,700万円

6億円以下

50

4,200万円

6億円超

55

7,200万円

引用:国税庁 No.4155相続税の税率

 

表の右にある「控除額」も適用しますので、単純に金額に応じた税率をかけるだけではありません。超過累進税率といって、一定額を超えるとその超えた部分の金額に、より高い税率を適用するため、大きな税率が適用されるほど調整のための控除が適用されます。
そこで2,500万円が取得金額であれば、税率は15%、控除額は50万円となります。

そのためこの時点の相続税は各々「2,500万円×15%50万円 = 325万円」となります。

 

手順4:相続税の総額を実際の取得割合で按分

手順3の計算によりそれぞれの相続税は325万円となりましたので、「相続税の総額」は「325万円+325万円 = 650万円」であるとわかります。

 

まだ、この額が実際に納税すべき額にはなりません。

 

そもそも上の計算で用いたのは“法定相続分”であり、“実際に取得した割合”が考慮されていません。
そこで次に、実際の取得割合を用いて「相続税の総額」を再び按分します。

もし配偶者が3/4、子が1/4の割合で取得したのなら、配偶者は487.5万円。子は162.5万円となります。

 

手順5:それぞれ利用できる控除を適用

手順4までは相続人等で共通の計算の流れです。

これに対し、ここからは遺産を取得した人個別の計算となります。

 

考慮すべき事項は次の通り多岐にわたります。

 

相続税額の2割加算

・暦年課税分の贈与税額控除

・配偶者の税額軽減

・未成年者控除

・障害者控除

・相次相続控除

・外国税控除

・相続時精算課税分の贈与税相当額

・医療法人持分税額控除

 

ただし、実際に考慮が必要な事項は限定的です。配偶者でなければ「配偶者の税額軽減」は関係ありませんし、18歳未満でなければ「未成年者控除」も関係ありません。

 

以上の控除も適用した上で、税額がまだ残っているのならその額を相続税として納付します。
逆に控除の適用によりゼロとなったのなら、納税する必要はありません。

 

計算ミスや延滞に注意

上に示した通り、納付すべき相続税を把握するには多くの計算過程を経なければなりません。

しかも上の手順はかなり簡素化したものであり、実際に申告者がすべき作業はもっとたくさんあります。
まず遺産総額を評価するだけでも大変な手間がかかります。不動産評価を行うのも簡単ではありませんし、その時点で計算ミスが含まれているとその後の計算もすべてずれてしまいます。さらに、節税効果を狙うのであればそれ相応の税制知識も備わっていなければなりません。
こういった問題があることから、遺産総額が大きな相続であるほど、財産の種類が多いほど、税理士に依頼する必要性が高まると考えられます。

 

これとは別に「申告期限」の問題もあります。
相続が開始されたことを知ってから10ヶ月以内にこれらの作業すべてを終えて申告と納税をしなければなりません。

申告しなかったり申告が遅れたりすると無申告加算税や延滞税などが課されてしまい、より大きな金銭的負担を負うこととなります。

 

計算ミスをすることなく、この期限に間に合うように財産調査から計算までを進めるよう努めましょう。

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所長税理士
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  • 沿革
    • 平成6年2月 税理士登録
    • 平成10年11月 井関孝之税理士事務所開業
    • 平成10年11月 TKC全国会入会
  • 所属団体
    • 近畿税理士会
    • TKC全国会
    • 豊中商工会議所
    • 豊能納税協会
ご挨拶

私は平成10年に税理士事務所を開設してから今日まで、多方面の顧問先のお客様と信頼の絆を築いてまいりました。

これからも、この絆を築くことに重点を置き、お客様に満足していただけるよう努めさせていただきます。

税務、会計はもちろん他の些細なことでもお悩みごとがございましたらお気軽に当事務所までご相談下さい。

プライバシーを守り、一生懸命お客様に満足していただけるよう努めさせていただきます。

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  1. 「自利利他」の理念と実践
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を経営理念として、地域の発展に貢献したいと考えています。

事務所名 井関孝之税理士事務所
所属 近畿税理士会、TKC全国会、豊中商工会議所、豊能納税協会
代表者 税理士 井関孝之
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